佐村河内氏の会見

全聾の作曲家としてテレビ番組などで取り上げられていた、佐村河内氏のゴーストライター疑惑が暴露されて、ようやく本人の会見が行われました。私も感心があったので、ユーチューブで見ちゃいました。

髪を短くしてサングラスも外して、外見はずいぶんうさん臭く無くなっていましたが、やっぱり話していることや、相づちうつタイミングの的確さなど、あれ?ちょっとおかしいなぁ・・・と感じる会見でした。

佐村河内氏の問題は、大雑把にまとめると

①ゴーストライターの存在を隠して、いかにも自分が作曲しているかのように振る舞っていたこと。

②「全聾」と偽っていたこと。

かなと思います。(細かい部分ではもっといろいろあるのですが)

まず①のゴーストライターの件は、それ自体は恐らく似たようなことも含めて、他の人もやっていることだと思います。アシスタントに作らせたとか、サビだけ自分で考えたとか・・・。曲のタイトルを、「交響曲第1番《HIROSHIMA》feat.新垣」として発表すれば問題無かったのに・・・もしくはプロデューサー佐村河内、作曲新垣として発表するとか。いずれにしても、「自分一人では作曲は大変なので他の人に手伝ってもらっています」って堂々とさらけ出していれば、ふーん、で済んだことだと思います。それなのに、NHKから民放から、いろいろなテレビ局で、あたかも自分一人で苦労して曲を作っていますみたいな番組を放送してしまったのは、大問題です。

個人的に許せないのは②の「全聾」を偽っていたことです。会見では全聾状態から現在は聴力が回復したと言っていますが、それを裏付けるような客観的なデータは示されることなく、誰がそんなこと信じるか、という感じです。会見では誰も突っ込んでいませんでしたが、音は聞こえるけれど、ゆがんで聞こえるので言葉としては聞き取れないから手話通訳が必要だというのであれば、日常生活でものすごく困難を感じるはずで、そんな人が障害者手帳を返納しなければならないのは不合理です。聴覚障害者の認定のあり方に問題があることになります。公開された診断書によると、聴力は両耳とも50デシベル程度、これは障害には認定されないぐらいの軽い難聴です。最良語音明瞭度が右が71%左が29%ということなので、左耳からの音が聞き取りにくいのであれば、左だけ耳栓をして、右からだけ聞けばほとんど聞き取れることになります。聞こえているんです。

特別支援学校に勤め、毎日障害と向き合って生きている子どもたちと接しているので、一般的な人よりも過敏なのかもしれませんが、「障害がある、けどこんなことできます。すごいでしょ。」みたいなのは大っ嫌いです。佐村河内氏はそこを全面に売り出して有名になっていったのが、許し難いです。

会見の中で、義手のバイオリニスト少女との交友についても触れられていましたが、その中で「義手だったら感動しませんか?」と質問者に佐村河内氏が聞き返す場面がありました。彼の本質が見えた発言だと思います。

ただ、彼が言うように、「義手だったら感動してしまう」人が少なからずいるということは否定できず、そういう人が「全聾の作曲家」とか「現代のベートーベン」なんてコピーに踊らされて彼のCDを買い、「すばらしい曲だ」と絶賛してしまうのも、現実なのです。そういう人の感情については良いとか悪いとか言いませんが、そういう感情を悪用して一儲けしようとか、有名になろうとかと考えることは許せません。

今回、新垣氏の告発と、佐村河内氏本人の会見で、佐村河内氏が多くの人を欺き、ショックを与え、迷惑をかけたことが明るみになりましたが、じゃあ、彼が警察に捕まって刑務所に入れられるかと言われれば、それはまずないと思います。せいぜい、実質的な損害を被った人が損害賠償の訴訟を起こすぐらいです。刑事的な制裁は受けないと思うので、佐村河内氏にはしっかりと社会的な制裁を受け止めてほしいです。そして私たちには、真実を見抜く力を身につけなければならないと、考えさせられる一件だったと思います。

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